「本当、懐かしい」

口に出して言っていた。
すると。

「何が?」

マスターが聞いてきた。
注文したエビドリアがテーブルの上に置かれた。

「優助と出会った時のこと。懐かしいなぁって」

「もう。あれから、6年だもんな。早いよな時の流れって」

「時の流れを早く感じるようになったら、年取った証拠なんだって」

「マジ? やめてくれよ。まだ30代だぞ」

しばらく話し込んでいたら、お客さんがやってきて、マスターはせかせかと働き出した。