「そうでもないよ。亮二はつき合ってのは、昔のことだからって、気にならないみたいだし」

「まぁ。楽でいいじゃん」

「そうだね」

と言いつつ。
内心、少しくらい妬いて欲しいあたしなのだ。

ちなみに、亮二もこの店の常連になりつつある。

「樹里、注文は?」

「カシスオレンジと、エビドリア頼みます!」

「了解」

マスターは、素早くカシスオレンジを運んで、厨房へ消えてしまった。