当の本人が忘れているくらいだからね。

今日、有給取ったのも偶然だろうし、何か用事があるのかもしれないし。

「誕生日アピールしなよ」

「いいよ。あたしは亮二といれたら、それだけで幸せだもん」

「ケッ。聞いてられない」

あかねが耳をふさいだ。

「まぁ。ケーキぐらいは頼もうかな」

「安上がりね~。せっかく青田の社員で高収入の彼氏がいるんだから、贅沢したらいいのに」

「あたしは贅沢とか苦手なの」

「今度、マスターも祝ってやるって言ってたよ」

「本当? 今年も祝ってもらえるんだー」