「オレ、あいつに振られたんだ。どうしても、オマエがいいらしい」

「……」

「すぐに吹っ切れる自信なんてないけど、ちゃんとあきらめないと、じゅりこにしつこいって嫌われそうだし」

落合さんは苦笑いをした。

「樹里は、絶対にオレが幸せにしますから」

「あぁ。そうだな。じゃないとオレがあきらめる意味がない」

落合さんは、タバコの火を消しながら言った。

そして、オレより先に喫煙ルームを出て行く。

その後ろ姿がどこか寂しく見えたのは、気のせいだろうか?


しばらく、元気のなかった落合さんだったけど、日に日に少しずつため息をつく姿をあまり見かけなくなった。