あなたは素敵な彼氏だったよ――…


でも、あたしはもっと素敵な人に出会ってしまったの。


その人とこれから、どうなるか分からないけど、まずは話をしないといけない。

後悔しないために。


玄関の鍵をドキドキしながら開けた。

すると。
部屋は真っ暗。

「亮二?」

キッチンもリビングもいない。

寝室も覗いたけどいない。

亮二…どこに行ったの?

もう1度、携帯にかけてみたけど繋がらない。

「はぁ…」

ため息をついた。
せっかく、話をする決意をしたのに。

ベッドに横になる。

そして、こんな事態だというのに、あたしは眠気に勝てず眠りについていた。