あたしは、亮二の腕を強くつかみ直そうとしたけど、亮二にふりほどかれてしまった。


「ねぇ…亮二…聞いて」

「言い訳なんてしなくていいよ!」

亮二は険しい表情をしている。

「あたし…亮二が好きなの…ねぇ! 信じて!」

「何を信じるんだよ!」

「……」

「悪いけど、もうこれ以上、話すことなんてないよ」

亮二はそれだけ言うと、背を向けて歩き出した。