こんなこと思いながら歩いていたら、

「寺原」

篠田に声をかけられた。

「篠田。おはよう。金曜日はごめんね。亮二が迷惑かけたね」

「そんなことより、ちゃんと結婚の事話し合えた?」

「……」

そっか。
亮二が金曜日に篠田と飲みに行ったのは、結婚の相談にのってたんだ。

「ごめんな。第三者が聞くようなことじゃないよな」

「ううん。いいよ。結婚しない方向で決まったみたいな感じかな」

「そっか。寺原の気持ちを重視したんだな」

「あたしの気持ち?」