場所を変えれば、結婚の話ができるかなと思ったけど。

本題に入ることなく、
あてもなく、
車を走らせていた。

そう。
このままでは、ただのドライブで終わってしまう。


「あっ。結婚式やってる」

樹里が窓の向こうを眺めながら言った。

危うくハンドルを手放すところだった。

タイミング悪過ぎだろ。

いや。
これは、いいタイミングかもしれない。

"結婚つながり"で話ができるわけだから。

「あのさ、樹里」

「何?」

「結婚のことだけど」

「うん?」