「そうなんだけどさ」

ため息をついてしまった。

改めて樹里の口から、
結婚する気はない。
なんて言われたら、へこみそうな気がした。




啓介をどうにかこうにか引き止めて、朝の5時くらいまで飲んでいた。

酔ってどうにもならないオレを、啓介は家に泊めてくれた。


目を覚ましたのは、昼前。


「やっと起きたか」

「啓介。おはよう」

「おはようじゃねぇよ。何が悲しくて、ワンルームの部屋に男二人過ごさないといけないんだよ」