それは、息が詰まるような光景だった。

樹里が落合さんと抱き合いキスをしていた。


家に着くと、リビングのソファに座らせた。

オレはスーツ姿で立ったまま。

長い沈黙を破ったのは樹里だった。

「亮二…あの、ごめんなさい」

うつむいたままの樹里。
目には涙がたまっている。
「なんで、あいつと一緒にいるんだよ!」

「マスターの店で会って、帰りに送ってくれたの」

「送ってもらったら、キスするのかよ? 昔思い出して盛り上がったのかよ! 」

「違う。あれは」