あたしは続けた。

「ご両親にも会ったけど、すごくいい人たちだった」

「だったら、結婚すればいいだろ!」

優助はイラついたように言った。

昔、ケンカをするとこんな言い方をしていたことを思い出した。

あたしはしゅんとしてしまう。

優助はタバコを吸い始めて、あたしたちの間には気まずい空気が流れた。

沈黙に耐えられず、あたしは帰ることにした。

「帰るのかよ?」

席を立つあたしに、優助が聞いた。

「これお金。優助に分けてもらったから。半額ぐらいの額だけど置いていくね」