亮二にはコーヒー。
あたしには紅茶。
もしかして、亮二が事前に紅茶派だって言っておいてくれたのかな?


L字型に並べられたソファに、あたしと亮二で隣同士に座り、お父さんとお母さんで隣同士で座っている。

「樹里ちゃん、紅茶のおかわりあるから遠慮なく言ってね」

「はい。ありがとうございます」

「やっぱ、家に女の子がいると和むわね」

「和むね…」

亮二が吹き出す。
そして、チラッとあたしを見て口を開く。

「母さん、こいつと毎日いると、和むどころか、騒がしいだけだよ。1日1個はなんかやらかすし」

「亮二!」

もう余計なことを。