まぁ。優助とのことはさておき。(昔のことだし)

問題は今だよ今。

「佐伯も何があったんだろうね? 出来婚でもかまわないとまで言ってたんだよね?」

「うん。さすがにそれは無理だって言ったけど」

「とにかく、樹里は自分の気持ちしっかり伝えなよ?」

「うん…」

今日のあたしとあかねは、会話が堂々巡りしていたような気がした。



それから。
"年内の入籍はできない"
と、何度も伝えようとしたけど言えなかった。

イザ、亮二を目の前にすると破局の二文字がチラついてしまう。

そして、こんな状態のまま亮二の実家に行く日がやってきてしまった。