「そうだよ。ビール飲めるようになったんだよ」

「昔は、カシスオレンジ一筋だったのにな」

「そうだったね」

「サーモンもらい!」

落合さんが、樹里が残していたサーモンを食べた。

「あー。楽しみにしてたのに!」

「好きなものを最後に食べる。ってのも、変わってないな」

「サーモン返してよ」

「また頼めばいいだろ?」

そう言って、落合さんは、サーモンの刺身を注文していた。

どうせなら。
会話の聞こえない席に樹里には座っておいてほしかった。