「あれは、下手に玉砕したくなかったんだよ」

「オマエにしては、消極的で笑えたな。あげく半年も片想いってかわいいな」

啓介がオレの頭を撫でた。

「やめんかい」

「照れてるのか~?」

「照れてねぇし」

「まぁさ。落合さんのことは、それとなく言った方がいいって思う。寺原は鈍そうだからな」

頭を撫でるのをやめ、啓介が真面目な口調で言った。

確かに樹里は相当鈍い。

まさか、元カレが自分に未練タラタラなの分かってない様子だ。