幸せな時間はとても早く過ぎた。 それは、あまりに残酷だった。 「12月2日。お亡くなりになりました。ご愁傷様です。」 奈乃華はみんなに見守られて、安らかに天国へと旅立った。 ただ眠っているような顔だ。 みんな、泣いている。 まさか、こんなにも早く逝ってしまったなんて。 その日の内に通夜とお葬式が行われた。 そして、みんなで送ってあげた。 そんな中、玲汰は誰にも聞かれないような小さな声で呟いた。 「奈乃華…俺といられて幸せだったか?…俺は幸せだったよ。」