「一二三はアナタに殺されたことがショックなのよ。それは、アナタがとんだ腑抜けだから。話にしか聞いてないけれど、不意討ちとは言えあの子が即死させられた。これはあの子のプライドを著しく傷つけたわ。だから六条、アナタは一二三を殺すだけの力があると証明しないといけないのよ。それがあの子のためでもあるし、アナタのためだわ」

「そんな、そんなこと言われたって、だって……」

もう我慢がならなくて、僕は叫んだ。

「僕はっ、その、一二三さんを殺したのはなんとなくわかるけど、どうやって殺したのかわかんないんです！　昨日は、気付いたら一二三さんが倒れてて、それで……、だ、第一、どうして一二三さんは死んだのに生きてるんですか！　ここまで言ったなら説明してください!!　僕はどうやって一二三さんを殺して、一二三さんはどうして死んでないんですか!?」

僕の叫びに、

「……これは」

「筋金入りだね」

風間夫妻は綺麗な溜め息をついた。

いよいよもって、純さんの笑みに陰りができる。首が、本当にしょうもないものを見てしまったように、横へ振るわれる。