「私が風間の家計に入ったから苗字は変わってしまったけど、血筋はそれでも続いてるわ。一二三は、私が生まれた時から今までをかけて昇華させた力をまるまる自分の中にコピーしてる。私も未だに力が成長途中だけど、将来、絶対に一二三は私よりも強い力を持つわ。スタートラインが大きく違うもの。私でさえ生物としてはかなりの力を持っているんだから、一二三の力は今後、なお計り知れないわ」

よく考えてみれば、真輝さんはあの一二三さんの手を掴み、その動きを制していた。

ということは、さっき言われた通りこの人も人間ではなく鬼で、しかも、尋常じゃ考えられないような『力』を持っている。

そういえば、一二三さんは腕に炎を絡ませていた。

あの力も、真輝さんから受け継いだものだとしたら。

本当に、彼女の『力』は計り知れない。

信じる信じないを省略された事実のデモンストレーションが、今この話し合いまでに何度も行われていたんだと、冷や汗も乾く思いだった。