たしかに三つ目はあるし、この力が普通の人にはないことぐらい自覚はあったけれど……

まさか、どうして、僕が人間の範疇にいない存在なんて。

今まで上手く付き合ってきたひたいの相棒が、僕の存在を不明瞭な混沌へと引きずり込んでいく。

六条賢一。

鈴原香澄の弟で、大木高等学校の一年生で、ひたいにある第三の目以外には大した特徴もない凡人だと思っていたのに。

僕はそもそも、人間ですらなかったなんて。

僕は、いったい、どこにいるんだろう。

「? ――おっとと、あらら。地雷を踏んだかもしれないよ、真輝。どうやら彼、力には気付いてても、自分が人じゃないってことに気付いてなかったみたいだ」

と、純さんが一瞬だけ、笑みに影を混ぜる。

が、真輝さんはそんなものどこ吹く風で一口、コーヒーを飲んだ。

「なにを、今さら。三つ目がある時点で人間ではありえない現象よ。その事に本人も気付いていながら、まさかまっとうな人間だなんて思っていた神経が悪いわ」

たしかに、そうなのかもしれないけど……