考えてみれば、なにも噛み合ってないんだ。

風間一二三は、昨日死んだはずだ。でも生きている。生きているなら、じゃあ昨日、死んでいないはずだ。死んでないはずなら、どうして今日、僕に怨嗟の声を投げかけてくる? 矛盾だ。

昨日、僕が見たものが夢幻だったなら、教室のドアがなんともないことも説明がいく。あれはただの夢だったと。

だけど、それはその夢の出来事を、なぜ風間一二三が恨むのか? それは、夢ではないから? 夢でないなら、なぜ……

矛盾が、連鎖されていく。

いったいなにがどうなって、なにが真実なのか。

この疑問の答えは、どこにあるのか。

《――よくも、よくも、よくも――》

だから、

《――よくも、よくも、よくも――》

この声の主に、訊いてみよう。

僕はそう、選択するしかなかった。