なら、なぜ今日、彼女は普通にいる? 死んだはずなのに、なぜ生きている? それは、本当は死んでなかったから? なら、昨日のは僕の誤診か? いや、いくら素人でも、心臓の音くらい聞ける。彼女の心臓は、あの時たしかに動いてなかった。

《――よくも、よくも、よくも――》

それなのに、今日、彼女は生きて現れた。なぜ生きている? 生命活動が停止していたはずなのに。わから、ない。

謎が謎呼ぶというのは、こういう状態のことを言うんだろうか。

考えていくもの考えていくもの、わからないことばかりで、どうしようもなくなる。

そうか、八方塞がりともいうのかもしれない。

《――よくも、よくも、よくも――》

「ああっ、もううるさいな!」

と立ち上がった僕は当然のようにクラスメイトから奇異の目を向けられ、教師にたしなめられた。

お前がうるさい、席につけ、と。

「すみません……」

誰に訴えられるわけでもないけど理不尽に思いながら、仕方なく席についた。