恐る恐るしゃがみ込んで、彼女の手首を取る。

脈は――感じられない。

つまり、心臓が動いてない。

死んで、いる?

(いや、まさか、僕が脈を取るのが下手なんだ)

そっと、彼女の口許へ耳を寄せる。

息を――していない。

つまり、呼吸をしていない。

死んで、いる?

(いやまさか……ぼ、僕が聞き取れないだけで……!)

そっと、彼女の胸元へ耳を当てた。

心音は――聞こえない。

がざがざと、衣擦れの音が耳元で大きく反響する以外、なにも、聞こえない。

つまり――

「ぅ、うああ……!?」

そして僕は唐突に、やっぱり彼女は死んでいるのだと、確信した。