† 第四節



風間一二三に失神させられ、目覚めた時には、なぜか――

「なん、なんだ……?」

教室の出入り口のひとつが、校舎の壁ごとみごとに吹っ飛んでいて、丸焦げになっていた。

ばかりか、くだんの風間一二三が、倒れていた。

僕のあしもとに、目を見開いた状態で――。

「ひ、一二三さん……?」

声をかけても、彼女は微動ともしない。

うつろに開けられた瞳は黒く、黒いけれどしかし、淡く濁った虚無の白さを見せていた。

(死んで、る?)

なぜ、どうして――そんな途中経過や疑問をすっ飛ばして、そんな予想をした。