なにもかもいつもと同じなのに、明らかに異質な存在が、二人。

異質なのに、平然と、僕の日常に踏み込んでいた。もちろん靴は脱いで。

入り口で唖然とする僕に、一二三さんの横へ歩み寄った幹が、改まった口調で言う。

「六条賢一に、伝達事項があります」

「あ、はい」

その手には、今ポケットから引き出された、一枚の紙。

判の押されたそれは、なにかの書類のようだった。

「あたし、大竹幹と、風間一二三両名は、教会から君の保護観察者を任されました」

「え……」

「要するに、あたしと一二三さんとで君の面倒を見るってことだよ」

幹と一二三さんが、僕の……?

あのデュオみたいな、人じゃなく?

首の中で歯車が回ったようにかちりと、一二三さんの顔が僕へ向く。

「一二三と大竹幹とで、お前の知らないことを教示する。……異議は」

僕は、少し笑ってしまった。

一二三さんは恐ろしいことに変わりないのに、なんとなく、楽しくなりそうな気がした。

頭を下げる。

「よろしく、お願いします」

そうして香澄姉さんが、言った。

「食べてね、ご飯。早く。冷めちゃうから」

と、倒置法で。