それでは、と手を打ったデュオは、そのわずかな高みから下りた。真輝さんへ向く。

「とりあえずこのあと、形として教会の仕事をさせてもらうよ、風間さん。ほんとは、こんな私用で僕を呼び出してもらいたくはないんだけどね?」

「呼び出してもらった分だけ、ありがたく思ったらどうかしら。教会の評判も、悪いばかりじゃないと見せつけるチャンスでしょう」

「呼ばれても呼ばれなくても、やることは変わらないんだよ、僕達は」

思わず僕は、このあとって? と質問していた。

デュオがニヒルな笑みを見せる。それはとてもとても乾いた、温度のない笑み。

この時、思った。

純さんの笑顔がペルソナなら、デュオは、その姿事態がかりそめなんじゃないだろうか、と、大袈裟なことを。

「教会の仕事を知らないのかな、六条くん。こんなに荒れた校舎、人目についたらどうするんだい? それに……一昨日、そこの一二三くんが吹っ飛ばした教室の壁、だれが修復したと思うんだい?」

「あ……」

と僕。

「さらに言えば、まだ日も暮れて夜になったばかりだというのに、このひと気のなさ……君は気付かなかった?」

「あ……」

と、今度は香澄姉さん。