彼女の動きには、一切の無駄も、容赦もない。

僕がおよそ抱いている『女子高生』の振る舞いとも、違う。

とてつもない、違和感と圧巻を放つ彼女。

いったい、何者なんだ。

(大木高等学校、学年トップ、風間一二三)

無意識な、冷静に頭の中で知っている蛇足な情報を組み立てる僕がいるが、そんなことが問題なんじゃない。

「き、君は、何者――なんっ、」

「アナタこそ」

言わせてもらえず、僕はピシャリとひたいを指差された。

そのまま一直線に、僕の脳髄など穴を空けられてしまいそうな気がした。

彼女が言う。

「アナタこそ、何者?」

そして、トンと、

「ぁ――」

彼女の指先がわずかに前進し、僕のひたいを突いた。

その瞬間――

まるで魔法にかかったように、意識のブレーカーが、落ちた。