「次に君は私情を侮辱された憤りで先ほど、『空』に夜叉を宿そうとしたね。異議は」

「…………ない」

「うん。素直なのは好きだよ。前者、後者、総じてその活動内容には多少の過激さが見られるものの、君が鬼だということを考慮に踏まえれば、†に触れているわけでもないし、特別教会が関与するまでもないと判断するね。

よって、風間一二三、粛正対象にならず。今回は、『空』には容易になにかを宿してはいけない、と、忠告だけに留めておくよ」

一二三さんは、ふん、とことさらに顔をそらした。

ウツホとは、なんだろうか……。さすがにそこまで教えてくれはしないだろう。

「続いて、六条賢一くん」

「え、僕?」

「そう、当然だよ」

思ってもいなかった矛先を向けられて、僕は戸惑った。

今回、僕はなにか悪いことをしただろうか。

デュオという人の役割が、度の過ぎるなにかを働いた場合、それを粛正することだというのは理解できるけど……僕は、正されるなにかをしただろうか。