酸欠のせいか、それとも首を絞められたせいか、まさかながら若干持ち上げられたせいか、頭の中が一瞬真っ白になり、文字通り腰が抜けてしまった。

再び両肘を抱いた彼女は僕を俯瞰し、

「アナタ、それでも人外? 一二三を監視するヤツ。連中の手下かと思えば……とんだ腰抜け。拍子抜けさせられた」

「ぐっ」

その足で、僕を踏みつけた。

乗せただけじゃない、相手の動きを一方的に支配する圧力が、僕のみぞおちをイヤというほどしっかり押さえている。

背骨が床と壁の九十度に押し付けられて、みしりと悲鳴をあげた。