僕は誰だ六条賢一であり僕は香澄姉さんのエンと叫ばれる舞うな幹は大竹で六条賢一は一二三の僕はけれどどうして香澄姉さん瞳を開けと僕は今だからコンクリートは一千億人いやひとり人狼が人間を三人その腕には幹が炎を六条は六つの僕は視線を一二三さんで六条賢一の瞳を大竹幹が埋まって助け一二三の意思に従い考えに同意しすべてを称賛し僕は六条賢一の香澄姉さんは瞳を言った選択する幹は人狼が食い殺している人間は僕は――

うるさい!

「僕は六条賢一だ! 僕は、僕が決める!」

すべてを一度、心の一喝とともに薙ぎ払い、瞳を、開いた。

瞬間、頭の中に響き渡っていた地獄から響く呪いのような声が、掻き消える。

まるで、空を覆っていた雲を昇竜が追い散らすように、晴れ晴れとした心地だった。

ひたいの瞳で、一二三さんを見る。さっき幹に絡んでいた、蔦のよう縄のような、複雑怪奇な文字の鎖が、姉さんの結界を無視してだれあろう僕へと集中していた。

一睨みする。

この力はもともと僕のものだ。

僕は六条賢一。なら、その力は僕に従ってこそだろう。

だれを縛っているんだ、だれを!