ドウ――!! と激しい音をあげて、炎が炸裂する。
僕の体面ギリギリ、半透明ながら存在を誇示する薄い障壁――
「手は出させない、賢一には」
「! 姉さん!」
気が付けば僕の背後に、見たこともないほど眉を吊りあげた香澄姉さんが立っていた。
目線の高さで構えられている銀色の鈴が、手は動いていないのに、ブルブルと震えている。
姉さんがその鈴で発生させた結界に、僕は守られていた。
「っの!」
上空で幹が吠えた。
拳の上で逆立ちしている一二三さんを、反対の拳で殴ろうとする。
だけど、彼女は腕を屈伸させると、その反動だけでさらに跳ねた。
幹の拳が、一二三さんの腕があった空間を薙いでいく。
彼女の冷ややかな眼差しが、
「ふ」
笑んだ。
その右腕が改めて、今度は幹へ打ち下ろされる。
「!? くあぅ……!」
炎の鉄槌が、避けるまもなく幹の巨体を突き飛ばした。
まるで金槌で殴り付けられたように、幹の体が屋上コンクリートへ埋没する。
轟音と震動が、周囲のひびをさらに増進させた。
僕の体面ギリギリ、半透明ながら存在を誇示する薄い障壁――
「手は出させない、賢一には」
「! 姉さん!」
気が付けば僕の背後に、見たこともないほど眉を吊りあげた香澄姉さんが立っていた。
目線の高さで構えられている銀色の鈴が、手は動いていないのに、ブルブルと震えている。
姉さんがその鈴で発生させた結界に、僕は守られていた。
「っの!」
上空で幹が吠えた。
拳の上で逆立ちしている一二三さんを、反対の拳で殴ろうとする。
だけど、彼女は腕を屈伸させると、その反動だけでさらに跳ねた。
幹の拳が、一二三さんの腕があった空間を薙いでいく。
彼女の冷ややかな眼差しが、
「ふ」
笑んだ。
その右腕が改めて、今度は幹へ打ち下ろされる。
「!? くあぅ……!」
炎の鉄槌が、避けるまもなく幹の巨体を突き飛ばした。
まるで金槌で殴り付けられたように、幹の体が屋上コンクリートへ埋没する。
轟音と震動が、周囲のひびをさらに増進させた。