半端な格好で固まるボクを一二三さんは見下す。

笑みが、冷淡に、美麗さを増した。

「地獄の鬼に、よろしく」

「っ」

鬼の誇りをもってなら、敵対者を前に一二三さんが容赦するはずがない。

業火の末路を覚悟した。

「ダメだ!」

その時、

「もうやめてくれ、一二三さん! 幹!」

賢一が、崩れた昇降口を乗り越えて、現れた。