その独白に、笑ってやった。

「嫌だ嫌だと言うわりに、ずいぶん、奔放な力を振るってきてる。本当は、自分の力に自惚れている。違う?」

「懺悔は、幾度か聞いてもらったよ。協力者にね。もちろん数回、教会から忠告は受けてる。あたしがやってることは、†とは関係なくとも、やや問題ありってね。本当のぎりぎり、その一歩手前だよ。

だけど、目的の先に、自分が歩んできたものを払拭できる未来があるのなら、今少しだけは構わないと思ってるの。賢一が、あたしとは違う、併棒な生活の中に留まってくれたなら、あたしの爪牙は血塗られても構わない。たとえここで、東城血族の一二三さんと敵対関係になって、牙を剥いたとしても。それが賢一の世界を守るのならね」

彼女は広げていた腕を、だらりと下げる。

それが、彼女の臨戦体勢だと、先程の仕合でわかっている。

腕を組み、口角だけを吊り上げた。