「いきなり、なにを語り始めるの」

「理想と現実についてさ、一二三さん。あたしはさ、推理が好きなんだ。事実を組み合わせるのはすごく面白い。〝九尾の末裔〟に逢えるなら、ぜひその達観力を見てみたい。彼らは事実の併呑者だからね。どれだけの事実を組み合わせられるか聞きたいの。おっと、話がずれちゃう」

「……」

ウリエルの力を即座に理解したこと、†という単語、教会のシステム、さらには〝九尾の末裔〟……

どうやら彼女は、六条賢一などとは違い、なかなか博識らしい。

思い返せばいつも成績開示の時、一二三の一つ、二つ、三つ下辺りに彼女の名前があったと思う。

ならば、こちら方面の知識も豊富か。