上半身の捻りから左の掌底を、

「!」

放つ直前、ヤツの姿が消えた。

プリーツスカートの残像が、一瞬で流れていく。

上へ。

彼女はこちらが同じ方のカウンターを仕掛けると見切り、腕の振り上げ反動を活かして跳躍したのだ。

両腕を振り被っている彼女が、再び轟の唸りで落下してくる。

しかし、それも甘い。空中なら、避けることはできないはず。今度ははずさない。

右腕であっという間にとぐろを巻いた炎を、拳とともに突き上げる。

 エン
「炎!!」

まさしく火柱というに相応しい奔流が、

「らああああああっ!!」

「!?」

凄まじい喝を込めて振り下ろされる手刀に、縦断される。

一二三の、一二三の炎が、唐竹割りにされていた……!!

「甘く!」

そして眼前に着地した彼女が、

「見たね!!」

深く屈伸し、バネを利用してタックルを仕掛けてくる。

「っ、かっ、ぁ!」

みぞおちに引き締められた肩が打ち込まれ、呼吸を一拍、停止させられた。

そして次の瞬間には彼女自身の誇る剛力によって、吹き飛ばされている。