けれど、真輝さんは首を横に振った。

「不死とは言えないわ。首をもいだら死ぬだろうし、心臓を抉り出しても死ぬでしょうね。あくまで生物なんだから、脳と心臓は必須だわ。ああでも世界のどこかに、心臓と脳みそと体をバラバラにしながら生きてる変人がいるとか、仁から聞いたことがあるわね。まあ、一二三には無理だけど」

「……」

率直に、美人がえぐいことを言うと、迫力が違うと思った。

眉ひとつぴくりともさせず、鈴蘭のような佇まいが、むしろ恐ろしい。

彼女は、本当に人ではなく、『鬼』なんだと痛感させられる。

こっちは一瞬でどっと冷や汗を噴出しているというのに、横の純さんは相変わらずニコニコ顔だ。

彼の神経が人間でありながら、人間ではない範疇へかなり侵食されているのを垣間見た気がした。