コツコツと自分の足音が妙に心地悪く、段々と疲れてきているのを感じた。
靴擦れになったら嫌だなあなんてことを考えていると、かかとが痛くなってきたような気がして滅入る。
仏を信じているわけでもないのに、不運続きで今日は厄日かななんて脳裏をよぎったわたしは日本人だなあなんて感じるとひとりで笑けてくる。
そんなどうでもいいことで気分をまぎらわしていると、どこかで聴いたことあるような心地のよいメロディが聴こえた。
早く帰りたいのに、何故かわたしはそのメロディに吸い付けられるかのように、それが聴こえる方へと足を進めていた。