I call you〜好きって言えたら〜


ドンッ。

痛っ・・・・。


「あ、ごめんねー。」

相手の子に謝られた。

「・・・。」
゛ごめんなさい゛

「うわ。シカト?」

冷たい言葉をかけられた。



大丈夫、慣れてる。


私はそう自分に言い聞かせた。




少し緊張しながら、教室のドアを開けた。


今日から高校生になったあたし。


知ってる人は誰もいない。



窓際の席空いてる・・。


あたしは一番目立たないその席に座った。


ふぅー。

 

高校なんて・・・



初日からあたしはこれからの学校生活に期待が持てなかった。









「ねーねー。遊空ちゃんって言うの?どこ中?!」


遊空っていうのはあたしの名前だ。

「・・・・。」

えっと、どうしよう・・。



あたしは机の上にシャーペンで文字を書いた。


゛あたしK中だよ。喋れないんだ。ごめん。゛


声出ないの?え。まじ・・?」



これが嫌だった「声が出ない」と言うとちょっと嫌な顔をされる。


「えっと・・。ごめん・・ね。」

その子は前に向き直った。


やっぱり・・ダメか・・。




教室にいるのが辛くなって校内をうろついていた。


<図書室>

あ、ここにしよ・・。


誰もいない。

入学式だからかな?


あたしは一番奥の席に座った。


「あー・・ねみー・・」


え?声・・?


誰か、いるの?

本棚の間を覗くと一人の男の子がいた。



「お?人いたんだ(笑)」

金髪に明るい笑顔・・。

キレイな顔立ちー・・


「お前もサボり?教室いるのかったるいよなー。ははw」



えっと。返さないと感じ悪いよね・・。


「おーい・・?お前1年?」

コクン。頷いた。

「おー。俺も俺も。何組?俺3組」


あたしは3と指で表した。


「一緒じゃん。てか、喋れよ(笑)」




「・・・。」

「え?まさか喋れねーの?」


二回頷いた。


「おー。ちょっと待ってな」

ニカッと無邪気に笑った。

数分待つとボードとペンをもってやってきた。


「ん。図書室の前にかけてあった」

え。それ。ダメでしょ。


思わず笑ってしまった。

「ははっ・・・あはは・・」

笑うとかすれたような声が出る。


「かわいー・・」

ボソッと言われた。

!?