どこかへ行きたいと思った。 電車に揺られて、どこまでもどこまでも。 いっそ遠い国へ行けたらいいのに。 ……なんでここは島国。 別に何があったわけではないけれど、ただぼーっと何かに身を委ねたくなった。 それだけのこと。 はぁ……早紀はまたため息を吐いた。 少し残業をして揺られる電車の中で。