「おい 、起きてる?」
「ん...」
「おーい」
「んぅ..」
「おりゃ」
「んっ..!」
額に冷たい感覚
そして上から降ってくる男の子の声
それはどこかで聞いた声で
目をうっすら開けてみた
声の主であろう、やっぱり男の子だった
でも病院ではなくて
私の家でもなくて..
やっぱりなんか変だよね 、
勢いよく起き上がった
「お、起きてんじゃん」
彼は歯を見せて笑った
「ここ何処ですか?」
恐る恐る問いかける
「ん? 俺んち」
「あーそうですか..って え ?」
「だから、俺の家。俺の部屋」
「嘘..」
「嘘じゃねぇよ、歩き廻ってみれば?」
そう言われて立ち上がろうとしたけど
やっぱり気分悪くて足が崩れる
「おっと..」
受け止めてくれた、それは彼
「あ、ごめんなさい」
「いや、病人だもんな。歩ける訳ねぇや」
小さく笑った彼の顔。思わず見とれた
ごくっ..
ずっと見てた 。
でも彼の顔は見えなくなって
目を瞑った..
唇に感じる感触
そう、キスしてた