私は那美と一緒にクラス表を見た。
「げっ!!!」
「どーした??」
「また、一組だったぁ〜〜」
「あら〜おめでとう(棒読み)」
「何でいつも一組なのさ!!!!つか那美は何組だった???」
「私??私は………」
神様どーか那美と同じクラスでありますよーに!!!!!!!!
「二組……」
「えっ!?!?」
「なぁーんてね(笑)一組だよ」
「一組???」
「うん!!またよろしくね♪」
「……わぁーい♪♪♪」
私は極度の恥ずかしがり屋で人見知り
那美が居ないとクラスで一人ぼっちなのだ
んっ??
あの名前……なんかで見たな??
なんだっけ???
「うーん………」
「どーかした??夢姫が考え込むなんて珍しいしちょっと怖いよ??」
「いや……あの名前」
「あの名前??」
「うん、あの横尾竜夜って名前……」
「よこおたつや???って名前がどーかしたの??」
「どっかで見たんだよね……」
「へぇ〜〜何処で見たの??」
「それが……覚えてないんだよ……」
「覚えてないのに、気になるんだ??」
「うん……めっちゃ気になる!!!」
「まぁその人同じクラスだからそのうちわかるでしょ!!とりあえずクラスに行くよ!!」
「あっ待ってよぉ〜〜那美!!!!」
どうしてあの名前が気になったのか……
あの横尾竜夜って名前………
どんなに考えても思い出せない……
何か大切なことだったはずなのに……
クラスに着いた後も私はずっと考え込んでいた
那美が考えても出ないなら気にしないほうがいいよ?って言ってくれたので
考え込むことを諦め入学式に向かった
入学式はやっぱりつまらなくて
那美とは離れてるから話せないし
私は寝る事にした
「……い…………」
「……んっ??」
「おい……お前」
「えっ??何??」
下を向いて寝ていた私は
後ろの知らない人に話し掛けられた
「足……」
「足??足がどうかした??」
「俺の足、踏んでる」
「へ??」
下を向いた私はその人の足を
踏んでる事に気がついた
「!!!!ごっごめんなさい!!!!」
「別に……」
直ぐに退かした私はその人に
きちんと謝ったのに別にって!!!!
「ったく、気をつけろよ」
「!!!」
ムカつく!!!
私は謝ったのに!!!
何様って感じ!!!!
入学式も終わり
クラスに戻ると自分の席に着いた
私は回りの席を見渡してみた
名前順に座っている
私の右隣りは席が空いていた
まだ来てないのかな??
左隣りは窓だ
後ろの席の窓側はとても大好きだ
外を見ていたら桜が舞っていた
「綺麗……」
「何が??」
ふと声をするほうを向いてみると
さっきまで空いていたはずの隣の席は
入学式に足を踏んでしまった男の子が
座っていた
「何でアンタが座ってんの??」
「はぁ??何でってここ俺の席だから」
「そこは横尾竜夜君って子の席だよ!!」
「うん、だから俺の席」
コイツは何を言ってるんだろう??
そこは横尾竜夜君って子の席なのに……
私はコイツの言ってる事が
良くわからなくて何度も違うと
言ってしまった
「アンタ、違う席に座んなよ!!」
「はぁ??俺の席なのに??」
「だーかーらーそこは横尾竜夜君の席!!」
「だから俺がその横尾竜夜だよ」
「!?!?!?」
「そんなにビビることなくね???」
「えっ!?嘘でしょ?!」
「自分に嘘ついてどうすんだよ!!!」
コイツは横尾竜夜だった
横尾は私を見て笑い出した
「なっ何笑ってんの??」
「だってお前俺が横尾だって気づかなかったから思い出したら可笑しくて(笑)」
「なっ!!!!可笑しくないもん!!!!」
横尾ってムカつく!!!
入学式でもムカついたけど今もムカつく!!!
「はぁー笑った笑った」
「笑いすぎだし(怒)」
「んな怒んなよ♪♪」
「ムカつく」
「てかさっき何見て綺麗って言ったんだよ??」
「えっ??あー桜が舞ってたの!!!」
「へぇ〜桜好きなんだ??」
「うん!!!めっちゃ大好き!!!」
「桜の何処が好きなんだ??」
「何処って全部」
「具体的に言えよ!!!花が散るところとかさ!!」
「うーん、桜吹雪かな〜♪♪あれって桜のカーテン見たいで綺麗だなぁ♪♪」
「へぇ〜桜吹雪かぁ」
「夢姫〜〜もう友達出来たんだ??」
「あっ那美!!!友達??出来るわけないじゃん!!!!」
「何で??隣の人友達でしょ??」
「隣??あっ!!!違うよ!!!話してただけだもん!!!」
「だからそれを友達って言うんだろーがよ!!お前って馬鹿だな(笑)」
「ムカつく!!!!!」
「あっ初めまして夢姫の幼なじみの儘田那美です♪♪」
「横尾竜夜です……よろしく」
「あっ横尾君って君だったんだ!!!」
「??何が??」
「いや、夢姫がクラス表見ていた時に横尾竜夜って名前が気になるとか言ってたからさ」
「俺の名前が気になる??何でだ??」
「うーん良くわからないけど?」
「何で??」
「へっ??私??」
二人の話しを聞いていたら
いきなり話し掛けられてびっくりした!!!
「だってお前が気になるって言ったんだろ??」
「まぁね……」
「だから何で??」
「何でって……何か大切なことがあった感じがしてさ…良く私もわからないけど……」
「大切なこと??なんだそれ??」
「まぁ気にしないで!!!」
「あっそ」
『席に着け〜ホームルーム始めるぞ!!!』
先生が来たので私達は話しをいったん辞めて自分達の席に着いた
「どーして私がこんな事を……」
「うだうだ言ってねぇで、手を動かせよな」
「なっ!!!元はと言えばあんたが…!!!!!」
「…………」
何なの!!こいつ〜〜!!!!!
こんな事になったのは
一時間前………
『えーはじめまして俺はお前らの担任になった坂木昌保だ。まぁ好きに呼んでくれ』
担任の先生は若いようだけど
老けて見えた
「なぁ」
「何??」
「担任老けてね??」
「なぁっ!!!!!!あんたねぇ〜〜!!!!!」
『どーした??横尾??』
「あっえっと……何でもありません」
『おぉ〜そうかぁそうかぁダブル横尾はクラス委員がやりたいのか!!!』
「「はぁあああああ!!!!!!」」
『意気ピッタリだなぁ(笑)』
「「ピッタリじゃないです!!!!!」」
『まぁよろしくなぁ〜〜』
えーーー!!!!!!!
こいつと二人とかヤダー!!!!
「あんな事言うんじゃなかった……」
「お前は馬鹿だからな(笑)」
「なっ!!!!むかつくp(*`O´)/」
「つか早く終わらせろよな……」
「あんただって終わらせなよ!!!!」
「もう終わったけど??」
「えっ?!?!」
横を見ると綺麗に積み上げられた
資料の山があった。
「はっ?!?!早くない?!?!」
「お前みたいに遅くないからな」
「っ!!!!どーせ遅いですよ!!!!」
私は早く終わらせようと資料に手を伸ばした。
しかし資料は横尾の手にあった。
「何で私の分をやってるの??」
「遅いから手伝ってんの」
「もっと他の言い方無いわけ??」
「有りませんけど??」
むかつくやつだけど
本当は優しいのかもしれない……
ただ照れてるだけなのかな??
「……ありがとうね」
「喋ってる暇があるなら手を動かせよ」
「前言撤回
やっぱりむかつくやつだよ!!!
ちょっと優しいのかもって思った自分が
馬鹿みたいだ……」
「………俺ってそんなにむかつく??」
「!?!?えっ??な……ナンノコト??」
「(笑)片言(笑)」
「やばい!!!口に出てたみたい!!!!」
「それも出てますよ??(笑)」
「!!!!あーもー!!!!!」
「逆ギレですか??(笑)」
「違います!!!!キレてませんから!!!!」
こいつと話すとキリがないから
もう無言で作業しようと決めた。
「失礼しました〜〜」
「んじゃな」
「えっ!?!?」
「なんだよ……」
「帰っちゃうの??」
「そうだけど??何かあんの??」
「いや……別に………」
「あっそ…んじゃな」
外はもう薄暗く夕日から夜に変わろうとしていた。
やばい…作業してたから遅くなっちゃった。
「どうしよう…街灯少ないからな……」
「………はぁ〜〜」
「??あっ急げ急げ!!!」
「家どこだよ……」
「えっ??何で??」
「送ってやるよ」
「えっ?!いいよ!!!!」
「いいから……どこ??」
「……南町」
「準備しろよ……待ってるから」
「……ありがとうね」
私たちは私の家へと向かって歩いていた。
「…………」
「〜〜♪〜♪〜〜♪」
「……なぁ」
「〜♪んっ??なぁに??」
「鼻歌止めろ…ちょっとうざったい」
「えーーーいい気分なのに……」
「知らねえよ!!!」
「はいはい辞めますよ!!!」
意地悪いうけど
私の歩く速度に合わせて歩いてくれる。
小さな優しさがあるから憎めない。
「つかさ、もっと早く歩けない訳??」
「なっ!!!!これが精一杯です!!!!」
「亀かよ(ボソッ)」
「今何か言いましたか???(怒)」
「別に何も……」
むかつく!!!
絶対に何か言ったよね!!!
そんな言い合いをしてるうちに
家にたどり着いた。
「着きましたから帰って平気です。さようなら。」
「…………」
何か…見られてる??
「な……何か用??」
「お前の家って小さいな(笑)」
「はぁ?!?!どこが??でかいとは言えないけど小さくないもん!!!!」
「嘘だよ(笑)んじゃまた明日な♪♪」
「バーカ!!!!」
私は勢いよく家の中へ入って行った。
「ただいま!!!!!」
「おーおかえり夢姫♪♪」
「おかえりなさい今日の夕飯は夢姫の好きな食べ物だよ♪♪」
「オムライス!!!!やったー♪♪」
「早く着替えて食べようぜ!!!!」
「はぁーい!!!」
私の家は両親が居ない。
交通事故で亡くなってしまった。
即死だったそうだ。
私は小さかったから良く記憶に無いけど
悲しいとかは余りない。
大好きなお兄ちゃん達が居てくれるから。
「高校はどうだ??楽しいか??」
「高校は楽しいよ!!!那美とも同じクラスになれたし♪♪」
「那美ちゃんと一緒か!!!良かったな!!!!」
「クラスには慣れそう??夢姫は小さい頃から人見知りだからね……」
「ちょっと聞いてよ!!!陸兄、空兄!!!!」
「んっ??何だ??陸兄ちゃんに言ってみろ??」
「どーしたの??夢姫??」
「クラスに横尾って言う男子が居るんだけどね!!!」
「同じ名前の男子ねぇ……で??」
「そいつとクラス委員になっちゃったの!!!」
「クラス委員?!凄いじゃないか!!!夢姫」
「凄くないよ!!!そいつめっちゃ意地悪なの!!!!!もうむかつく!!!」
「なにーー!!!!俺の夢姫に意地悪だと!!!けしからんな!!!!!」
「陸…落ち着けよ……でも夢姫」
「何??空兄」
「本当に嫌なら先生に言ってやるの辞めなさい。」
「………」
「先生だって言えば次の人に頼るでしょ??無理に夢姫がやることはないんだよ??」
「うん……わかってる……けど」
「けど??」
「…………やっぱりなんでもない!!!ごちそうさまでした。2階に居るね!!!!」
「あっおい!!!夢姫!!!!」
「責任感強いからな……夢姫」
「あー母さんに似て……な」
「ちょっと良く見てないとな、陸」
「そうだな……」
「父さん達が居たらどーするかね……」
〜2階の夢姫部屋〜
「……はぁ………」
お兄ちゃん達の言う通りかも知れない
嫌なら先生に言って辞めればいい……
でも本当にそれでいいのかな??
任されたのに辞めていいのかな??
あいつは確かに嫌だ
意地悪ばかりだし
だけど優しかったりして憎めない。
どうしたらいいのかわからない。
「……………ぅああああもう!!!!!!」
お母さん、お父さん
私、どーしたらいいの??
わからないよ……
「あー泣けてきた(泣)」
コンコン
「??はぁーい」
「夢姫??入るよ」
「………空兄」
「大丈夫か??」
「うん、とりあえずはね……」
「夢姫は母さんに似て責任感強いから任されたら頑張ってやらないとって思うのかもな」
「えっ??お母さん責任感強いの??」
「かなり強いよ…母さんに頼み事余り出来なかったぐらい強い(笑)」
「そーなんだ……」
「……あんまり悩みすぎるなよ」
「…………」
「兄ちゃん達がついてるから何かあったら相談でも何でも言えよ」
「……うん、わかった」
お兄ちゃん達は優しくて頼りになるけど
迷惑はかけれない……
大好きだけどかけたくないよ……
この日私は悩んでも仕方ないから
寝ることにした
悩み続けて
もう三日もたったある日
『えーではこれから来週の遠足について班別行動班、行く場所等を決めたいと思う』
「先生〜遠足ってどこ行くの??」
『遠足は東京都だ!!!』
「マジで!!!!超ラッキーじゃん!!!!」
遠足が東京と聞いてクラスがざわめきだした。
『んじゃ班別行動の班を決めてくれー』
クラス皆が班を決めるのに席を移動しだした
「遠足は東京か〜〜」
「……何??東京嫌いなん??」
「ん〜〜??嫌いって訳じゃないけど……」
「嫌なことでもあんの??」
「別にない……」
「はぁ??意味わからないわ」
別に遠足は楽しみだ……でも
遠足に行ってもいいのだろうか……
お金も無いし、ましてやバイトなんてしてないから小遣いがない……
「夢姫は心配何でしょ??」
「那美!!!」
「何が心配なんだよ??」
「ん〜〜と……行けるか行けないか??」
「何だそれ(笑)」
「でも夢姫のお兄ちゃん達なら言えば行かせて貰えるでしょ??」
「うん、でもお金も無いし……」
「金が無くても行けるだろ??他に心配事があんのかよ???」
「やっぱり行くの辞めようかな……」
「夢姫……と…とりあえずお兄ちゃん達に聞いてみなよ!!!ねっ!!!!」
「……うん、わかった」
「んじゃ班だけど……夢姫どーする??」
「もちろん那美と一緒だよ!!!!!」
「班の人数は六人だとよ」
「んじゃ横尾も入れば??」
「あー別に良いけど俺が入ると……」
「???」
「たーつーやー!!!!一緒に行こうぜ!!!!」
「あーうるせー!!!俺はこいつらと行く!!!!」
「……こいつら??」
「こいつら……」
そー言って横尾は私達を指差した。
「竜夜が女の子と行くだと!!!!ちなみに今何人???」
「えっ??まだ三人だけど……」
「三人じゃ入れるじゃん!!!あっ俺は佐伯葉(さえきよう)って言うんだ!!!葉って呼んで!!!」
「よろしく♪♪私は儘田那美でこっちは……」
「知ってるよ!!!夢姫ちゃんでしょ??クラス委員の(笑)」
「どーもです……」
葉は何か馴染みやすい人だな……
人見知りの私でもすぐに話しが出来そうだ
「これで四人だな!!!後二人か……」
「あいつらで良くね??」
「おっ良い提案じゃんか竜夜!!!おーい……」
あいつらと呼ばれた人達に葉が話しに行く。
「あいつらって誰??」
「あいつらはあいつら……」
「むかつく!!!」
「まぁまぁ…落ち着いてね(焦)」
「おっまたせー!!!連れて来たぜ!!!こっちは花石璃桜菜(はないしりおな)ってやつ」
「よろしくお願いします♪♪」
「んでこっちが笠原優(かさはらすぐる)ってやつな!!!優は無愛想だけど優しいやつだから!!!!仲良くしてやって!!!!」
「…………」
優君は何も言わないままお辞儀だけした。
優君って本当に無愛想だなぁ……
「二人ともよろしくね!!!私は儘田那美♪♪こっちは……言わなくてもわかるかな??」
「うん!!わかるよ♪♪夢姫ちゃんでしょ??よろしくね♪♪私は璃桜菜って呼んでも良いし好きに呼んで♪♪」
「璃桜菜ちゃんの名前に桜って文字入ってるね!!!可愛い!!!!」
「ありがとう!!私のお母さんが桜の綺麗な女の子に育って欲しくてつけたらしいんだ!!!」
「夢姫は桜大好きだもんね??」
「あっ!!!!そーなんだ!!!!」
「んじゃ班は私、夢姫、横尾、葉、璃桜菜、優で良いね??」
『OK♪♪♪』
「じゃ次はどこ行く??」
「何処でもいい」
「………」
「秋葉原!!!!」
「やっぱり渋谷でしょ!!!!」
「うーん池袋??」
皆がそれぞれ違う意見で那美はちょっと困った表情をした。
「皆バラバラ……どーしたのものか……」
今まで一言も喋らなかった優君が思いもよらない事を話した。
「……ディズニーランド」
『えっ?!?!?!』
「………ディズニーランドに行きたい」
「………ぷっあはははははははは」
「!!!!!!」
「ちょっ葉!!!余り笑っちゃ可哀相だよ(笑)」
「そーゆー璃桜菜だって笑ってるじゃんか(笑)」
「……優君、ディズニーランドは千葉だから行けないかな」
「!!!!!」
「確かに夢姫も前にディズニーランドは東京だと思ってたもんね(笑)」
「あっ!!!だって東京ってついてれば有るものだと思うもん!!!!」
「ならさまず渋谷行って秋葉原行って帰りに池袋行こうぜ!!!!なっ竜夜もそれで良いよな!!!!」
「いいんじゃね??つか何で俺に聞くんだよ(笑)」
「よしっ決まり!!!!」
『よーし!!だいたい決まったな??今日はここまでだから解散な!!!』
「なぁ〜〜遠足班で帰ろうぜ!!!!」
「帰ろ〜〜♪♪」
「あっ私は寄るとこあるから遠慮するね」
「えー何で??夢姫ちゃんが居ないとつまんないじゃんか!!!なぁ竜夜!!!!」
「何で俺に聞くんだよ??」
「夢姫、買い物??」
「うん!!!」
「夢姫ちゃん凄いね!!!」
「えっ!!凄くないよ??普通だよ??」
「だって璃桜菜は買い物すら出来ねえもんな(笑)」
「葉は何が言いたいのよ!!!!」
結局途中まで一緒に帰った
私は今までで一番楽しい思い出になった。
遠足の日が楽しみだな!!!!