「……普通の、女子高校生ですよ」


ぼそり、と効果音がつきそうなほど小さな声でつぶやいた。

あぁ、漫画であればこんなときびっくりするぐらいのイケメンさんが助けてくれるのに。


「じゃ、いこっか」

「家、教えてもらえる?」


目の前の男2人は、すっかり「この女はもらった」なんて顔をしている。胡散臭いなぁ。

私は思わず、冷笑してしまった。


「貴方たちなんか、モチーフの候補にすら相応しくないですね」


あぁ、やってしまった。と思ったときには既に遅く、男2人は憤怒の表情で私を見つめていた。

……あれ、もう死亡フラグ?



*



「ちょっと美人だからって調子に乗ってんじゃねぇよ!」

「モチーフの候補? なにそれ意味分かんねぇ」


こうなってしまったか……。

私は頭を抱えた。じゃがいも重いし……。なによりこの人たちは同じことを早5分ほど言い続けている。

退屈でしょうがない。


「すみませんでした」

「そんなもんで済むと思ってんのかよ?」

「誠心誠意謝れよな……マジで」


退屈に耐えられなくて、とりあえず謝ってみればこの反応。これだからこういうタイプの男の人は苦手だ。