なんて思って、にやにやしてたらどうやら心配されたらしい。
強面のおっさんが「お前、大丈夫か?」って声をかけてきた。
「大丈夫じゃない状態にしたあなたたちが言えることなんですか?」
「へぇ、結構強気じゃねぇか。嬢ちゃん」
にやり、と少女らしからぬ笑いかたしてしまったなぁと思いつつ、啖呵をきってみる。
かっこいー(棒読み)
「……頭ァ。この女生意気じゃないっすかァ?」
と、ノリノリになってきたところで最初に声をかけてきた茶髪の男が不満げに唸ってきた。余計なこというなよ、ばーか。
「気にいらねぇか……まぁいい、俺のことは気にすんな、テメェら好きにかまってやれ」
「まじすか」
「怖気づいたか」
「そりゃ、まぁ」
「反応は薄いんだなぁ……ま、可愛がってもらえ」
そりゃ死刑宣告か何かですか。そうですか、いたいけな女子高生を縛ったまんま男の中に投げ捨てるって言うんですか。
ジーザス!そんなことだけはさせん。
私は必死におじさんに声をかけることにした。
「お……おじさん!」
「なんだぁ?」
「助けてくださいよ!」
「はは、今更か? 『普通』の女子高生なら今頃泣き叫ぶか、すすり泣くかしてるころなんだけどなぁ」
「私だって泣けって言われたら泣きますよ、ええ」
「お嬢ちゃんって呼べなくなりそうだ」