「いやいやいや! こんな小娘がそんな大金出せると思ってるんですか?!」
「思っちゃいねぇさ。だから今すぐ返せとは言わない……一週間待つ」
「一週間?!」
この人たちは金銭感覚がおかしいのだろうか。
家賃と生活費でいっぱいいっぱいの私をこれ以上どうしようって言うんですか。
「それでも、」
「そうさなぁ……そりゃ『普通』のバイトで貯めるのは無理だろうなぁ」
「……!」
「勘はいいみたいだな」
厭らしく笑ったおっさんの顔を見てもピンときたし、元々頭は悪くない。
「×××とか●●●とか△△△で働けって言うんですか!」
「いや! 別にそこまでしなくてもいい! 恥じらいぐらい持ったらどうだ嬢ちゃん!」
うん、ちょっと違ったらしい。
「キャバクラで働いてもらう……さっきは否定したが、客によっては『そういうこと』もあるかも知れねぇが、俺らを恨むなよ」
何だよ、当たりじゃんか!
っていうか、ホントにこういう話の展開ってあるんだなぁ……。某女性向けレーベルとかケータイ小説の中だけの話だと思ってたよ。
「うーん……退屈じゃなくなってきたなぁ」
こんな生活も、嫌いでもないかも。つくづく私って能天気なんだなぁ。
非日常、ばんざーい!