いつもしっかりしてる細石も、頬を赤らめ紀右の腕をユサユサ揺らす。


「えっと……恥ずかしくて……後他にも色々あって………」


最初の方は同じ様に赤面していた紀右の声が、段々小さくなっていった。


オレはフリーズしていた頭をどうにか解凍して、一言も聞き漏らすまいとする。


最早盗み聞きしようとしていた康生と遥玖より、オレが1番必死になっていた。


「色々って?」


紀右の落ち込み具合に気づいた長峰が、首を傾げながら呟いた。


「あの………その人って、凄いカッコイイ人なの……」


紀右の小さな声が、微かに聞こえる。