家庭科室を出て、3人で廊下を歩く。


もう生徒は殆ど残ってないけど、念のためダテメガネ付きで。


「ねぇよ。あったらとっくの間にどうにかしてるわ」


康生の問いかけに、再びため息を吐き出す。


遥玖に“ため息つくと幸せ逃げんぞ”言われたけど、自然と出てしまう。


笑ってくれるとこっちも嬉しくて、避けられるとこうも落ち込んでしまう。


それ程オレにとって紀右は大事な存在なのに……


オレ、自分でも気づかない内に何かしちまったんだろうか………?


「なぁーー、お前等紀右になんでオレの事避けるのか聞いてくれよーーー」