そして、またしばらくたったある日の放課後、急に長谷川が声をかけてきた。
「あのさ、お前勉強できる?」
『…そこそこは』
「…俺、数学駄目なんだ。教えてくんね?」
『…いいけど…なんで?』
「いや、今度テストあんじゃん。あれ平均とんねーと補習あっからさ」
…そういえば、そろそろ中間考査だったっけ。
『…テストって、勉強するもんなんだ』
「…お前、勉強しねーの?」
『しても意味ないから』
「…すげーな」
長谷川は呆れていた。