放課後―
先輩達は合奏で、一年は基礎練。
『私』は、和也という男子とバラバラに練習していた。変わらない音色を、ただ一定にのばしていく。
和「…あのさあ」
急に長谷川が喋りだした。
『…何?』
和「お前、どうして笑わねーの?」
『……』
ストレートに聞いてくるなこの人。
「…ま、いいけど」
いいのか。
それ以降、その人が話しかけて来ることはなかった。
確か、長谷川は同じクラスだったよな…
『私』は、あの時なんと答えれば良かったのだろう。
けど、生憎その時の『私』は誰も信じちゃいなかったからそんなの知るよしも無かった。