全然見つからず最後の車両まで来てしまった。

「どこ行ったんだよ…」


ん?今泣き声みたいなの聞こえなかったか?

「うぅ…」

やっぱり!!ちょっと驚かしてみよっかな。

ゆっくり一歩一歩近付き………
「わっ!!!!!!」

「きゃっ!!えっ?陸?何見てんのよ!!あっち行ってよ…。」

泣いててもいつもの明菜だな。なんて思いながらも泣き止むまでそっと抱きしめていた。

明菜は小さい時に結婚すると約束したことを…ずっと俺を思っててくれた。

今思えば、俺が何かする時は明菜がいて、俺の思い出は明菜でいっぱいだな。

正直明菜が健太を好きかもって思った時、俺は少し寂しかったよ。でも………まだ本当に明菜を好きかわからない。

「明菜?俺さっきの話し聞こえてたんだ…。」

明菜は顔を真っ赤にしたまま俯いて俺を見てくれない。

「あと、沙弥の告白は断った!!俺、もしかしたら明菜のこと好きかもしれない…。まだはっきりわかんないけど、わかったらすぐ言うから…。2日目の自由行動2人で回ろうぜ。」