『近寄らないで。こっちくんな話しかけんな顔みたくないしキモいし死んでほしい。着拒してんの気付かないわけ?もうほんとあんたのこと生理的に無理だから今すぐ消えて』



友人の口から16年以上の付き合いで初めて聞くワードがポンポンと繰り出される



『那緒は無理でも俺は無理じゃないしー。そんなこと言わないでよー。』



え、こいつマジでキモい。


あたしも一瞬で納得するキモさで延々近付いてくるその生き物に友人の血管が破裂寸前になっている



『のえだって困ってんだからまじ近寄んな!さわんじゃねーよ!』



それと友人の間に挟まって友人を押すとあたしは一直線に目の前の宇田川交番に向かう


『ほんと那緒もやがってるしこれ以上話しかけるんだったら交番入りますけどいいですか?』



あたしは今あたしめっちゃカッコいいんじゃないかと脳内に風を吹かせてセルフイケメンごっこをしているとそれが口を挟む


『いやいや交番とか酷くない?一度は連絡先とか教えてくれたんだしまた遊びに行こうよー!』



それの右手が友人に触れたのを確認するとあたしは友人の手を引いて宇田川交番に入った




『あ、さっきの』



ここにはあいつがいるんだった