『ごめんちょっとのえ私喉乾いたからファミマ行こう』


友人が下を向いてあたしの肩を押す



『え、ちょ、何急に。お目当ての方すぐくんじゃないの?』


あたしが動揺した表情を友人に向けても友人は下だけを見ている



『ちょっと逃げないでよひどくなーい?』


後ろからもう見るからに見た目もしゃべり方もチャラチャラした感じの若者が近付いてくる



『あ、そういうの大丈夫です。金もあるし男にも困ってないし今お腹すいてないし喉乾いてないんで。お疲れっす。』



あたしが振り返ってナンパを丁重にお断りしたにも関わらず男がめげずに寄ってくる


『いや、おねーさんじゃなくてさ』


こいつ輪郭変えてやろうか?



『なーおー!』



一瞬にして空気が変わる


友人の名前は"那緒"だ。


『え、お前知り合い?』